元看護師の復職ストーリー

母子保健サービスを起業して元看護師を育成

産後を支援する地域母子保健サービス

産後を支援する地域母子保健サービス

ここでは、看護師として働いていた経験を活かし、産後間もない女性を支援する地域母子保健サービスを起業したEさん(仮名)を紹介します。Eさんは海外の生活で産褥訪問看護に出会ったことをきっかけに産後ケアに興味を持ったそうです。

北欧での生活がきっかけ

北欧での生活がきっかけ

Eさんは旦那さんの仕事の関係で北欧で生活していた経験があります。その時に、産褥訪問看護に出会いました。Eさんの出産後に旦那さんが育児休暇を取得し、そのサポートのために産褥訪問看護職が連日家庭を訪問し、育児や産後のアドバイスをしてくれました。その後日本に戻ってきたEさんは、日本の産後ケアはどうなっているか知りたくなり、大学院に入って研究することにしました。産後支援者選択要因を研究テーマに、産後間もない女性に対してアンケートを実施しました。その結果、育児家事支援を必要としているものの、それができないでいる人が多いことがわかったのです。
この状況を変えるためにも、まずはEさん自身が産後支援に直接携わろうと考え、ホームスタートや産後ドゥーラを学びました。働いてみて分かったこととしては、産後支援のニーズは非情に高いということです。その後、Eさんと同じように産後支援に興味のある仲間を募りましたが、ホームスタートや産後ドゥーラは非看護職でも活動できるため、患者さんへの対応に慣れている看護職でないと対応できないケースが多くあると実感したEさんは、看護職経験のある産後ケア人材の育成に取り組むことにします。そして、昔勤めていた病院や看護大学時代の恩師の協力を得て、「ナーシングドゥーラ」の育成を始めました。

ナーシングドゥーラ

ナーシングドゥーラ

出産したばかりで孤立感を抱える女性を助けるナーシングドゥーラは、家事育児経験があり長時間勤務が難しい潜在看護師が活躍できる仕事として注目されています。50時間ほどの養成講座を受講し、試験に合格することで認定資格を得られます。また、家庭のことがあっても勉強しやすいように、Web講座を実施しています。

徐々に広まってきている

徐々に広まってきている

現在、Eさんは東京を中心に事業を展開しています。近隣の産科クリニックと提携し、スムーズなサービスの提供を実現しています。まだまだ小さい規模ではありますが、すでに100件近くの産後ケア実績があります。これからはさらに人材の育成とサービスの提供を強化し、産後間もない女性やそのご家族を支援できる環境を整えていきたいと考えています。ナーシングドゥーラは、子育てに関わるすべての人への愛情があり、普通の家事育児ができる看護師ならだれでもなることができます。